検索バカ

検索バカ (朝日新書)

検索バカ (朝日新書)


タイトルからきっとインターネットの話かと思いきや、「考えること」についての本だった。帯が強烈だった……。

考える前に「検索」、自分の意見より「空気を読む」……情報通はバカになる!

そんなこと言われたら買ってしまうでないか。ぼくは困ったら、なんでもすぐググってしまう。会話の途中でも平気でググってる。「解決」を求めて検索することもあれば、単純に知識がないのでデータベースから引っ張ってくるという意味でググる場合もある。フェルミ推定することもないなぁ、ていうことは、やっぱり頭使っていないのかもしれない。なんていうか「考える」ことについて考えさせられる本。
それにしても作家なのだからか、自分ではなんとなくわかってはいるけど言葉にできない事象を綺麗にすくい上げて文章にしている。
とりあえず気になった部分をメモ。。。

これは推測ですが、師弟関係や上下関係、先輩後輩のはっきりしたその業界において、楽屋やふだんの付き合いのなかで、芸人やタレントたちがいい交わす台詞が「クウキを読め」だったのではないでしょうか。
とすれば、クウキとは「関係の力学」、人と人との力関係そのもののことです。 p51

混乱やカオスを許さない、関係が固定化された安定状態を保つということです。簡単にいうと、予想のつかないことをするな、ということ。
予定調和には、対立や葛藤を排除する力が働きがちですし、異質や違和を取りのぞくベクトルが作用します。そしていまある力関係をそのまま温存しようというふうになります。
予定調和とは、その場にある力関係、その関係によって自分が求められている役割を嗅ぎとり、そのまま演ずること、ととらえてもさしつかえないでしょう。
そう、まさにそれが「クウキを読め」ということなのです。p92

多くの人は現役時代に、多様な人と関わり方、対話を行っていたはずです。人の腹を読む、腹を探る、気持ちを察する、顔色を読む、あるいは引く、押すといった駆け引きなどさまざまなレベルで対話する場面があった。
しかしリタイヤして、そうした対話を失うと当然、能力は落ちる。能力が落ちるとキレる。キレるというのは対話拒否です。対話する力が落ちると、対話を拒否する。これは必然ともいえます。 p173