9月の読書

 

火花

火花

 

なんとなく、世の中のビッグウェーブに乗りたくて読んでみた。

テレビで一度も見たことがなかったので、あまり作者について知らない状態で読むことができた(相方は一度、ピクサー特集で見た)。

非常に内省的な内容なんだけど、女性の書くような繊細な感じではなく、なんというか、分かりにくい。僕の理解力が低いと言われればそれまでなんだけど・・・。どことなく、昭和初期またはそれ以前の匂いがした。

 

スクラップ・アンド・ビルド

スクラップ・アンド・ビルド

 

デビュー作の「黒冷水」が手元にあるのに、読まずに10年ぐらい立ってしまっていた。で、まさかこっちを先に読むとは。やはりビッグウェーブには逆らえない。

で、芥川賞を比べるならば、圧倒的にこちらの作品の方が面白かった。

ちょこちょこ挟まれる、現代のどうしようもない問題や読者に「この主人公はちょっと間違ってるぞ」とさりげなくツッコミを入れてもよいような、わざと設定されている脇の甘さなど絶妙に上手い。読んでいて共感したり納得したり突っ込んだり、読書なのにゲームをしているかのような楽しさがある。芥川賞というよりも直木賞よりな気がする。

けっこう気に入ったので、別の作品も読んでみたい。

 

流

 

直木賞受賞作品。ビッグウェーブには・・(以下略)

デビュー作の「逃亡作法」がめちゃくちゃ面白くて、いろんな人に勧めていたわりには、その後に続く作品をしばらく読んでいなかった。 たぶん「ラムアンドコーク」ぐらい。

で、思ったのが、同じ作者なのかどうかってくらい雰囲気が変わっていた。いや、もう「逃亡作法」の文体や流れなど覚えてはいないんだけどね・・・。

お話はそんなに面白いものでもなかったのだが、台湾の歴史や台湾人の行動などをもっと知りたいと思った作品だった。この頃、マカオによく行っているから、大陸の人の振る舞いや香港人のスマートさ、教養の高い中国人の話し方や内容など、中国って面白い国だなあって、最近、いろいろ体験しているからこそ、身を乗り出しながら読むことができた。

台湾の小説とか読んでみたい。

 

ダブル・ジョーカー (角川文庫)

ダブル・ジョーカー (角川文庫)

 

ジョーカー・ゲーム」の続編。

面白さの内容は落ちているわけではないのだが、個人的には一作目の方が好きかな。

 

国境 (講談社文庫)

国境 (講談社文庫)

 

これは凄い作品に出会ってしまった。

「疫病神」シリーズの2作目。まさかの舞台が北朝鮮。まだ小泉政権前に書かれた作品で、拉致問題など表沙汰になっていない時期に、ここまで北朝鮮のことを詳しく書けるとは・・・。

大学時代にミステリマニアの友人に物凄い勧められていたのに、10年もあけてしまうなんて、もったいないことをした。

内容も面白ければ、北朝鮮のデタラメっぷりにも驚かされるし、一粒で二度美味しい作品。最後にはにくい演出もあるし、上質なエンターテイメント。

でもこれを読むには「疫病神」を読んでからの方がいい。そのほうが感動量がぐっと増える。

いやはや、黒川博行直木賞読もうと思ってシリーズ最初から手をつけ始めたのだが、これは良い作者を知ることができた、久々の直木賞グッジョブ案件ですわ。